自動車保険の見直しをする際に、知っておくと良いのが、自賠責保険の知識です。
自賠責保険は、必ず加入しなければならない強制保険のため、加入していないという方はいないはずです。
しかし、実際に自賠責保険の補償内容や、保険料の額など、詳しいことは何も知らないという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、自動車保険を見直す前に知っておいてほしい、自賠責保険の情報をまとめてご紹介します。
【自動車保険の見直し前に!】自賠責保険って何?強制保険?
「自賠責保険」は自動車損害賠償責任保険の略称です。
この自動車損害賠償責任保険は、
自動車損害賠償保障法という法律に基づいて、すべての自動車に加入が義務付けられています。
このすべての自動車には、原動機付自転車、いわゆる原付も含まれます。
法律で加入が義務付けられているため、「強制保険」と呼ばれることもある自賠責保険。
「任意保険」と言われる自動車保険とは異なり、自賠責保険に加入していない場合には、罰則規定もあります。
つまり、 自賠責保険に加入していなければ、自動車を公道で運転するこはできないのです。
【自動車保険見積もり前に!】自賠責保険はどこで加入するの?
加入が義務付けられている強制保険である自賠責保険ですが、
その保険の内容を確認して、「申込書に印鑑を押した記憶なんてない!」という方もいるのではないでしょうか。
自賠責保険は、一般的に
- 新車購入時
- 車検時
のタイミングで、 自動的に加入させられています。
どこの保険会社で入りたい!という希望がなければ、自動的に加入手続きを済まされていることも多いでしょう。
新車購入時や車検時の明細書には、必ず「自賠責保険 保険料」という記載があるはずです。
「本当に加入しているか不安だ」という方は、ぜひ確かめてみてください。
また、 車検がない車(原付など)の場合には、自分で自賠責保険に加入する必要があります。
そのやり方についてもご紹介していきましょう。
【自動車保険見積もり前に!】原付の自賠責保険の加入方法は?コンビニでも可能?
車検がない250㏄以下のバイクの場合は、自賠責保険への加入手続きが必要になります。
自賠責保険に加入していないまま事故を起こしてしまうと、多額の賠償金を自己負担しなければならないだけでなく、法律上の罰則も課せられます。
ちなみに、原付バイクの自賠責保険の保険料は以下の通りです。
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | |
保険料 | 7,500円 | 9,950円 | 12,340円 | 14,690円 | 16,990円 |
保険料はすべての保険会社で同額です。
また、複数年まとめて支払うと、保険料が割引になります。
5年契約の場合は、1年あたりの保険料は3,398円で、1年契約と比較すると、約54%も保険料が安くなります。
原付バイクなどの250㏄以下バイクの自賠責保険は、
- 損害保険会社の営業店
- 車やバイクの販売店(代理店)
- 自動車整備工場(代理店)
- 陸運局構内にある代書屋(行政書士事務所・代理店)
といった場所で加入することができます。
しかし、それ以外にも
- コンビニ(セブンイレブン)
- インターネット
からの加入も可能です。
セブンイレブンでの自賠責保険加入には、事前の申込が必要なので、公式サイトで確認してみてください。
【自動車保険見積もり前に!】自賠責保険の補償内容は?
それでは、加入が義務付けられている自賠責保険は、いったいどのような補償内容になっているのでしょうか。
自賠責保険の補償内容はとてもシンプルです。
また、 どこの保険会社で自賠責保険に加入しても、保障内容は全く同じです。
【自賠責保険の補償内容(保険金限度額)】
損害の種類 | 保険金支払い限度額 |
傷害 | 120万円 |
死亡 | 3,000万円 |
後遺障害 | 後遺障害の程度に応じた階級によって75万円~4,000万円 |
このように、自賠責保険で補償の対象となるのは、事故を起こしてしまった場合の
対人賠償に限られています。
【自動車保険見積もり前に!】自賠責保険の保険料は?
自賠責保険の保険料は、車種や保険期間により定められており、どこの保険会社で契約しても全く同じ金額になっています。
主な車種の保険料は、以下の通りです。
【自賠責保険 保険料表】
車種/保険期間 | 37か月契約 | 36か月契約 | 25か月契約 | 24か月契約 | 13ヶ月契約 | 12か月契約 |
自家用乗用自動車 | 36,780円 | 35,950円 | 26,680円 | 25,830円 | 16,380円 | 15,520円 |
軽自動車(検査対象車) | 35,610円 | 34,820円 | 25,880円 | 25,070円 | 15,960円 | 15,130円 |
ただし、沖縄県、離島など一部地域については上記保険料例とは異なります。
車検がある自動車の自賠責保険については、 車検期間に合わせて保険期間を選ぶことが多いです。
そのため、新車購入時は3年(36か月契約)、それ以降は2年(24か月契約)となるのが一般的でしょう。
【見積もり前に!】自賠責保険に加入するのに、自動車保険も必要?
自賠責保険の補償内容や、保険料についてはこれまで述べてきた通りです。
自賠責の保険料は、複数年一度に払うことが多く、小さい金額ではありません。
自賠責保険の保険料も支払っているのになぜ、さらに保険料を支払ってまで、任意保険に加入する必要があるのでしょう。
答えは簡単です。
自賠責保険の補償内容では、いざというときの補償としては不十分だからです。
まず、自賠責保険の補償内容には、
- 対物補償
- 人身補償(事故を起こした側の)
が全くありません。
相手方に対物賠償金を求められてしまった場合は、全額自己負担となってしまうのです。
また、対人補償についても、決して十分とは言えない保険金額です。
もし死亡事故を起こしてしまった場合、 対人賠償額は1億円を越えることも珍しくありません。
相手が高所得者(医者等)であった場合は、賠償額も高額になり、過去には5億円を越える賠償額が命じられた判例もあります。
自賠責保険では、死亡事故を起こしてしまっても、最高3,000万円までしか補償されません。
いざというときの補償額としては、 あまりにも不十分です。
【自賠責保険だけではダメ】いざというときのために、自動車保険も!
今回は、自賠責保険について、補償内容や保険料などの情報をまとめてご紹介しました。
記事のポイントをまとめると以下の通りです。
- 自賠責保険は、 法律で加入が義務付けられた強制保険
- 自賠責保険は、 新車購入時や 車検時に自動加入させられる
- 250㏄以下バイクの場合、 自賠責保険の加入手続きが必要
- 自賠責保険は 対人補償のみで死亡保険金3,000万円
- 自賠責保険の 保険料は、すべての保険会社で同額
- 自賠責保険の補償だけでは不十分
自賠責保険に加入することは、車を運転する人の義務です。
加入していなければ、罰則があるため、保険料の負担を免れることはできません。
しかし一方で、自賠責保険だけでは、いざというときの補償としては不十分です。
安心して車を運転するためには、任意保険で必要な補償に備える必要があるでしょう。
また、任意加入の自動車保険の見積もり前に確認すべきことは、以下の記事でまとめてご紹介しています。
保険の選び方や保険料の節約方法が知りたいという方は、参考にしてみてください。