自動車保険には、保険料の割引制度である「等級制度」があります。
1~20等級(※一部共済は22等級)まであり、 等級が上がるほど保険料の割引率が高くなる、つまり 保険料が安くなる仕組みです。
【等級制度について詳しくは、は、以下の記事でご紹介しています】
等級は、無事故で1年間過ごすと1等級上がる仕組みですが、事故を起こしてしまうと、3等級もしくは1等級ダウンしてしまいます。
また、保険を利用しても、等級に影響しない「ノーカウント事故」もあります。
今回は、3等級ダウン事故、1等級ダウン事故、ノーカウント事故の違いについて解説していきます。
【自動車保険】保険料に影響!3等級ダウン事故とは?
それではまず、 翌年の保険料に大きく影響する、3等級ダウン事故についてご説明していきましょう。
3等級ダウン事故には、以下のようなものがあります。
- 事故を起こして他人を死傷させ、対人賠償保険金の支払いを受けた
- 事故を起こして他人の車(物)を損傷し、対物賠償保険金の支払いを受けた
- 当て逃げされてしまい、自分の車が壊れてしまったため、車両保険を使用して修理をした
- 電柱にぶつかり、自分の車が大きく破損したため、車両保険を使用して修理をした
ほとんどの事故は、この3等級ダウン事故に当てはまります。
契約中の自動車にを運転中に起こしてしまった対人事故、対物事故はすべて3等級ダウン事故です。
また、当て逃げをされて、自分の車を修理するために車両保険を使用した場合も
3等級ダウン事故としてカウントされていまうので要注意です。
また、一部保険会社では、 車両保険の補償範囲を限定して契約している場合、
当て逃げや自損事故は車両保険の補償の対象外となる場合もあります。
【自動車保険】無過失事故(もらい事故)は3等級ダウン事故になる?
自動車事故によって保険金の支払いを受ける場合で、
双方に過失がある場合には、過失割合を決定し、その割合に基づいた保険金の支払いを受けることになります。
わかりやすくいうと、 自動車事故に対して責任が重い方の車が加入している保険会社が、多く保険金を支払うことになる、ということです。
しかし、事故の中には、過失割合が「10:0」になる、いわゆる「無過失事故(もらい事故)」があります。
【無過失事故の例】
- 自分が停車しているときにぶつけられた
- 信号待ちをしているときに追突された
- 相手の車が信号無視をしていた
無過失事故の場合、
自分の車の修理費用は、すべて相手の加入している自動車保険によって補償してもらうことができるのです。
また、人損事故の場合は、治療費なども相手側の保険会社が補償してくれます。
無過失事故の場合には、自分の加入している保険を使用していないので、 等級には影響しません。
ただし、それは相手が自動車保険に加入していた場合です。
もしも相手が自動車保険に加入していなかった場合、また、補償の対象となる被保険者が運転していなかった場合など、
なんらかの理由で自動車保険の補償を受けることができなかった場合、相手に修理費用を賠償してもらうことは難しくなります。
そのような場合に、自分の加入している保険の
車両保険を使用してしまうと、3等級ダウン事故としてカウントされてしまいます。
自分は悪くないのに、保険料が高くなるのは嫌だ!という方は、
「車両無過失事故に関する特約」を付帯しておくことで、特約保険料は発生しますが、
無過失事故(もらい事故)の場合に車両保険を使用しても、ノーカウント事故としてカウントされるようになります。
【自動車保険】保険料に影響!1等級ダウン事故とは?
続いては、1等級ダウン事故についてご説明していきます。
1等級ダウン事故としてカウントされる事故であっても、保険料への影響は避けられません。
1等級とはいえ、等級がダウンしてしまい、事故有係数も適用されますので、翌年度の保険料に影響がでます。
1等級ダウン事故としてカウントされるのは、車両保険を使用した場合のみです。
つまり、 車両保険に加入していない方は、1等級ダウン事故としてカウントされることはありません。
1等級ダウン事故は、以下のような場合に車両保険の使用を行った場合事故が当てはまります。
- 車が盗難に遭った
- 停車中にいたずらをされ、車体に落書きをされてしまった
- 飛び石でフロントガラスが割れた
- 台風や洪水で車が損壊した
- 火災で車が爆発した
これがすべてではありませんが、車両保険の補償の範囲の中で、3等級ダウン事故としてカウントされないものは、
1等級ダウン事故になると覚えておくとよいでしょう。
【自動車保険】保険料への影響なし!ノーカウント事故とは?
それでは続いて、等級に影響がない(保険料に影響がない)ノーカウント事故の例を挙げていきます。
ノーカウント事故で保険を使用しても、翌年の等級は、無事故の場合と同じく1等級上がります。
【ノーカウント事故の例】
- 自転車を運転中に他人に怪我をさせ、個人賠償責任費用特約から保険金の支払いを受けた
- 歩行中に車にはねられ、怪我をして入院したため、人身傷害保険金の支払いを受けた
- 原付バイク運転中に他人に怪我をさせ、ファミリーバイク特約から保険金の支払いを受けた
- 無過失事故(もらい事故)の相手が損害賠償請求に応じないため、弁護士に依頼し、弁護士費用特約から保険金の支払いを受けた
※特約の名称は、保険会社により異なる場合があります。
人身傷害保険の保険金のみ支払いを受けた場合や、特約から保険金の支払いを受けた場合は、
ノーカウント事故となる場合があります。
ノーカウント事故は翌年の保険料には影響しないため、必要があれば、迷わず保険金請求を行いましょう。
等級ダウンによる保険料への影響を考えて、保険を使用しないのも手段?
自動車保険に加入するのは、いざというときの補償を受けるためですが、
補償を受けることと引き換えに、翌年の保険料が高くなってしまいます。
3等級ダウン事故としてカウントされる事故で保険金を請求した場合、元の保険料の割引率に戻るまでに、約4年かかります。
また、事故を起こすと、等級ダウンと同時に「事故有係数」というものが適用され、
保険料は大幅にアップしてしまうおそれがあるのです。
(事故有係数とは、事故を起こした人に適用される、割引率を引き下げる係数のことです。)
そのため、事故を起こした場合には、「保険を使用するべきかどうか」を考える必要があるのです。
例えば、以下のような場合です。
- 停車中の車に車をぶつけてしまい、相手の車に少しだけ傷がついてしまった
この場合、相手から請求されるのは、車の修理費用のみです。
乗っていた他人に怪我をさせているわけではなく、傷の程度も軽いなら相手から請求される金額はそう高くはないでしょう。
傷の範囲も狭いなら、数万円程度の修理費用の負担だけで済む場合もあります。
そのような場合、保険を使用するのは得策ではありません。
相手の車の修理費用の賠償額よりも、高くなる保険料の方が額が大きい場合が多いからです。
このように、事故を起こしてしまった場合に、必ず保険を使用する必要はないのです。
保険料と賠償額のバランスを考えて、保険を使用するべきかどうか判断しましょう。
【自動車保険】3等級ダウン事故は保険料に大きく影響!使用するべきか判断を!
今回は、自動車保険における3等級ダウン事故、1等級ダウン事故、ノーカウント事故について解説してきました。
3等級ダウン事故としてカウントされる事故により、保険金の支払いを受ける場合は、保険料とのバランスを考えることが重要です。
自動車保険は、高額賠償に備えるために必要ですが、少額賠償の場合には、賠償金を自己負担するほうが得策の場合もあります。
本当に保険を使用するべきかどうか、しっかり考えて判断しましょう。
とはいえ、事故を起こしてしまった場合は、保険を使用しない場合であっても、用意にその場で示談金を支払わず、その後に備えて必ず警察には連絡しておきましょう。
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